☆一年の初めはなぜ一月一日か☆

• 一年の初めはなぜ January 1st か？
• January 1st はなぜ天文学的意義のない現在の日取りになっているのか？
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一年の初めはなぜ January 1st か？

これは、古代ローマで執政官(コンスル)の任期が Ianuarius(英語の January に対応) の初日に始まったことに由来します。

古代ローマでは過去の年をその年の２名の執政官の名前を参照して「○○と□□が執政官だった年」と表現するため、公式には Ianuarius の初日が年初となるのです。

古代ローマでも古くは執政官の任期は Martius(英語の March に対応) の初日に始まっていました。しかし、紀元前154年にイベリア半島で反乱がおこり、それに対処するため執政官を２か月繰り上げて任命したことが契機となったとされています。

ただし、数詞 8 に由来する October が 10番目の月で、数詞と月番号の対応が2か月ずれたままであることからもわかるように、一般民衆の間では Martiusの初日を年初とする感覚は残ったのではないでしょうか。

その後も January を最初の月とする感覚は希薄で、中世のヨーロッパでは一年の初めは様々でした(→Calendar/When/Exe/暦説明/本編/ギリシアとローマ起源/ユリウス暦)。

ヨーロッパで January 1st が年初に返り咲くのは16世紀以降の事です。

January 1st はなぜ天文学的意義のない現在の日取りになっているのか？

このことは「一年の初めはなぜ January 1st か？」とは別問題として考えねばなりません。

なぜならガイウス・ユリウス・カエサルがユリウス暦を制定した際、直前の年(紀元前46年)は日付調整のため445日にもなり、この日数をどうするかで January 1st の日取りは如何様にもなりえたからです。

ユリウス暦への改暦にいたる時期のローマの暦の January 1st を列挙してみると下記の表(この表は Chris Bennett 氏の私案をもとにしており正確性には留保が必要です)のようになります。

ただし、この表の陰暦は中国式太陰太陽暦(定朔定気,時間帯+00:00)での日付を仮に求めたものです。これによればローマ暦の年初は太陰暦の11日になることもあり、新月と同期していません。このような暦を太陰太陽暦に含められるかは定義に依存するのではないでしょうか。

355日は12朔望月(29.53059×12=354.3671)にほぼ一致し若干長めですから、閏日の挿入を放置した結果としてユリウス暦への改暦年に向かって陰暦の日付が漸増しています。

ガイウス・ユリウス・カエサルが January 1st の日取りをどうやって決定したかは推測するしかなく、最初の年(紀元前45年)の年初を新月に合わせたという見解もあります。

しかし、この表が正しいとすると陰暦の日付の漸増はユリウス暦への改暦前後で連続しており、新月を意識したというのは考えすぎで、一年がかりで改暦した紀元前46年の445日というのは平年(12朔望月)に単に3朔望月を加えた結果に過ぎないのかもしれません。

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